東京フィルハーモニー交響楽団 第892回オーチャード定期演奏会 オーチャードホール
5月21日(日) 開演15:00 bunkamura オーチャードホール
ヴェルディ:歌劇「オテロ」第3幕より舞曲
ザンドナーイ:歌劇「ジュリエッタとロメオ」より舞曲
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」
アンコール
外山雄三:「管弦楽のためのラプソディ」より「八木節」
指揮:アンドレア・バッティストーニ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
渋谷は渋谷・鹿児島おはら祭「おはら本祭り」の踊りパレードの最中で、歩道は普段以上に込み合っていて、オーチャードホールまでのかなりの時間を要しました。
今回のコンサートは、最初から最後まで、これまで聴いたことのない大音響の連続で、前半が終わった時点で、後半も持続できるのかというほど、最初から大迫力の演奏が繰り広げられました。
前半の2曲は、どちらも初めて聴く曲でしたが、イタリアオペラの作曲家、リッカルド・ザンドナーイの「ジュリエッタとロメオ Giulietta e Romeo」は1922年の作曲で、ストラヴィンスキーの「春の祭典」(1913年)から9年後の作品で、どこかに「春の祭典」を意識した痕跡が残っているような曲に感じられました。
後半の「春の祭典」は、ファゴット・ソロのかなり長めに引き延ばされたフェルマータが、曲中にいろいろな企てがあると思わせ、事実、随所でかなり変化にとんだ演奏で、細部も丁寧に組み立てながら、随所に新しい楽譜の読みが出現して、最後まで期待を裏切らない新機軸の演奏が繰り広げられました。
ただ、前半同様、大音響の連続で、どこにクライマックスを置いていたのかよくわからないまま、終わってしまったという印象を受けました。
全体的には、この曲の持つ土俗性や原始エネルギーを表現した演奏で、クラウディオ・アバドがロンドン交響楽団を指揮したCD(1975年録音)の対極にあるような演奏に感じられました。
アンコールは、外山雄三の「管弦楽のためのラプソディ」から「八木節」が演奏されましたが、これも普段あまり聴くくことのではない大音響で、結局、最後までホールは大音響に包まれていました。
今回のプログラムは、CD発売を意識したかのような、アンコールを含めても演奏時間が短かかったのが残念でした。
「春の祭典」は今年はもう一度、、7月22日(土)にフェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2017の東京交響楽団オープニングコンサートで、シェーンベルクの「浄められた夜」とストラヴィンスキーの「春の祭典」 を聴くことになっていますが、アンドレア・バッティストーニとはかなり趣向の違う演奏が聴けそうです。
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