オーケストラコンサート サイトウ・キネン・フェスティバル 松本
8月31日(日) 開演16:00 キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)
モーツァルト:セレナード第10番 変ロ長調 K361 (370a) 「グラン・パルティータ」
オーボエ:フィリップ・トーンドゥル、ロバート・シーナ
クラリネット:リカルド・モラレス、山本 正治
バセット・ホルン:中 秀仁、濱崎 由紀
ファゴット:マーク・ゴールドバーグ、吉田 將
ホルン:ニール・ディーランド、勝俣 泰、阿部 麿、猶井 正幸
コントラバス:岡本 哲史
ベルリオーズ:幻想交響曲 op.14
指揮:小澤 征爾
演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ
小澤 征爾とサイトウ・キネン・オーケストラとしては7年ぶりの「幻想交響曲」でしたが、オペラ公演とは全く別のオーケストラに変貌していました。
特にフルートのジャック・ズーンとオーボエのフィリップ・トーンドゥルの音色が魅力的で、私がこれまで聴いてきた、サイトウ・キネン・オーケストラの演奏の中でも、記憶に残る名演奏が繰り広げられました。
今年のオーケストラ・コンサートは、フレンズ会員優先チケットも抽選から外れ、チケットが取れずにほとんど諦めていましたが、8月2日の追加販売でようやく2階席2列目を確保することができました。
右寄りの席でしたが、特に音響に問題もなく、やや遠目からでしたがオーケストラ全体が見渡せ、本格復帰して熱演する小澤 征爾=サイトウ・キネン・オーケストラを堪能することができました。
前半は、地方では滅多に聴けないセレナード第10番「グラン・パルティータ」で、管楽器12本とコントラバスという構成で演奏され、精密なアンサンブルと豊かな音色であっという間に50分が過ぎてしまいました。
今年のサイトウ・キネンは、8月23日のふれあいコンサートⅠの「ドヴォルザーク:管楽セレナード」、今日の「モーツァルト:セレナード第10番」と、代表的な管楽器の曲が2曲も聴けて、本当に充実した時間を過ごすことができました。
後半の「幻想交響曲」は、もう圧巻としか例えようがないくらいで、病気療養中に思考していたことをすべて解き放つような、ダイナミックで格調高く、7年前の「幻想」を超えた素晴らしう演奏でした。
来年夏には発売されると思われるCDやBlu-ray Discが、今から待ち遠しくなっています。
さて、来年から、フェスティバルの名称が「セイジ・オザワ 松本フェスティバル」に変わりますが、小澤征爾=サイトウ・キネン・オーケストラのコンビによる演奏が名演であればあるほど、今後どうなっていくのか心配になります。
これまで多くの指揮者がサイトウ・キネン・オーケストラと共演してきましたが、私が聴けた範囲内では、アラン・ギルバートや山田和樹も好演でしたが、サイトウ・キネン・オーケストラの実力を完全に引き出せたのは、ダニエル・ハーディングだけで、中には、チケット代ボッタクリのひどい演奏もありました。
「セイジ・オザワ 松本フェスティバル」としての存続は、指揮者が変わっても、サイトウ・キネン・オーケストラのメンバーが、小澤征爾さんと接するときの情熱、熱意とともに異様ともいえる高揚感が、今後何年も持続できるかどうかにかかっていると思います。
来年のオペラは演目が決定しているようですが、サイトウ・キネン・オーケストラ向きのオーケストラ・コンサートのリスエストを何曲か・・・ショスタコーヴィチの交響曲第15番を松本で聴けることを期待しています。
ショスタコーヴィチ 交響曲第15番
マーラー 交響曲第4番
リムスキー・コルサコス 交響組曲「シェラザード」
ストラヴィンスキー 春の祭典
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