オーケストラコンサート Cプログラム サイトウキネン・フェスティバル松本
9月9日(木) 開演 19:00 長野県松本文化会館
チャイコフスキー:「弦楽セレナード」ハ長調 作品48」より第1楽章
演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ
指揮:小澤征爾
権代敦彦:デカセクシス(世界初演:カーネギーホールとの共同委嘱)
ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 作品68
演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ
指揮:下野竜也
権代敦彦作曲の「デカセクシス」は、SKOの良さが発揮されていて、個々の奏者が新曲に真剣に取り組んできた結果が演奏となって表れていました。
フィナーレでのバイオリンの消え入るような弱音の持続が印象的でしたし、曲自体もたいへんよく書かれていて、素敵な演奏を聴くことができました。
が、ブラームスでは一転して、これがSKO??と思えるくらい変貌してしまいました。
先入観のない人にこのブラームスを聴かせて、オーケストラがSKOだと言い当てられる人は皆無だと思います。
この程度のただ騒がしいブラームスだったら、日本中いつだもどこでも聴くことができますから、わざわざサイトウキネンを聴きに来た意味がありません。
ジャック・ズーンのフルートとは対極にあるような、弦の音質が硬質かつ金属的で、ブラームスの包みこまれるようなハーモニーをまったく聴くことができませんでした。
デジタル録音にたとえるなら、「12ビット、サンプルレート22050」位の音質で、ホールの余韻やハーモニーがほとんど考慮されず、ただただ前に進むことだけを優先するような演奏で大変がっかりすると同時に、SKOもこんな演奏ができるんだと、逆に感心してしまいました。
毎年のこととはいえ今年も、演奏が終わると、盛大なブラボーと拍手が沸き起こりましたが、今年は相当違和感がありました。
小澤征爾さんが復帰することを前提に、今回のような事態を想定していなかったことが、最大要因だと思いますが、来年は本人も言っておられるように、万全な体調で臨まれ、素晴らしい演奏を松本で聴かれることを期待せずにはいられません。
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