平成中村座信州まつもと大歌舞伎「佐倉義民傳」
平成中村座信州まつもと大歌舞伎「佐倉義民傳」を見に行ってきました。
まず、5月5日のチケット購入について、「ベストな席は取れませんでしたが花道の横を確保できました」と書きましたが、実際は舞台に向かって左側最前列の花道横はとても「ベストな席」でした。
手を伸ばせば届くような目の前で、中村勘三郎さんや中村橋之助さんが演技をされているのですから。
フィナーレの山場の後、どう展開するのかと思っていたら、笹野高史さん演じる座長一座の・・・・というシーンは良く使われるパターンだとは思いますが、切り替えがたいへん見事で、時代をワープする感覚が味わえました。
ラップを取り入れた歌舞伎としては斬新な音楽は、新鮮で良かったのですが、ちょっと多用しすぎで、ラップによって農民が健康的で元気すぎて、「明るい農村」を見ているようで、農民の苦しみや悲壮感がが客席にほとんど伝わらず、名主の行動とギャップを感じる面があったように思いました。
音楽全体はたいへん現代的でしたが、クラシックでは作曲された当時の楽器(複製も含めて)と奏法で、モダン楽器が失ってしまった大切な響きを再現する、オリジナル楽器による演奏様式が支持されているように、現代感覚だけでなく、歌舞伎本来の語りや楽器による演奏も取り入れることで、江戸時代にタイムスリップした感覚が味わえ、「江戸時代という感覚の中でのラップ」がもっと生きてきたのではないかと思いました。
いろいろ思いつくままに書いてしまいましたが、ほんとうに素晴らしい公演をありがとうございました。
次回の松本公演を今から楽しみにしています。絶対にまた松本に戻ってきてください。
松本市民芸術館
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